こんばんは、管理人のtoshifumiです。
最近、ネット上で福祉・介護業界の働き方について話題になることがありました。少し興味を持ち、
見てみると・・・何というか、この業界の年収の低さの原因は会社側だけでなく、一部の労働者側
にも非がある事に気付かされました。

そこで今回は、「福祉」が福祉・介護業界を壊していくのではないか?という視点に立って書いて
みようと思います。

確かに理想は高いけど・・・

介護の現場で仕事をしていると、必ずといって良いほど「利用者さんのケアをするのが私の使命」
とか「利用者さんと関わることが私の楽しみなんだから、私の楽しみを奪わないで」と平然と言い
自らサービス残業をして疲弊している人たちを見ます。

そして心身をすり減らし、最後に会社や同僚に対して「私の考えを分かってくれない人たちが悪い」
と捨て台詞を残して辞めていきます。
私自身、この業界で仕事をして何度もこの様な光景を見てきました。

管理職になると・・・

更に、この様な人達が生き残り、管理職になった場合、自身の考えで組織を運営してしまいますから、
サービス残業や休日出勤を強要します。万が一、この強要を断ろうものならそのスタッフを全力で
退職に追い込んでしまいます。

しかもこの様な人達の特徴として、管理職に必要な経営や労働問題についての知識を学ぶことなく
きていますから、サービス残業や休日出勤の強要が現在の社会でどの様な目で見られているかを理解
していません。

また、金銭的な問題でもこの様な人達から一番よく聞くセリフが「この仕事はお金以上のやりがいが
ある」「この仕事はお金じゃない」「福祉の人間がお金のことを言うなんて恥を知れ」です。
(実際私は嫌になる程この様なセリフを聞いてきました。)

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確かに福祉・介護の仕事はお金以上の価値があるのかも知れません。しかしそれは、適正な労働と
収入を得てはじめて言える事だと私は思います。

福祉・介護の仕事は全業界の中でも最下位に近いレベルで年収が低く、深刻な人材不足により、
労働環境も過酷です。
この様なサービス残業や休日出勤を自発的に行う行為によって、労働契約書によって決められた条件
通りに働いている多くの人達にどれだけの迷惑をかけているのでしょうか?

介護業界の本当の怖さ

実際、一部の事業所は低賃金であることに対して開き直っている様子さえあります。以前、興味本位で
参加した介護業界の就職フェアでは、ある社会福祉法人の人事担当が「給料は出せないけど、福利厚生
はちゃんとするから」と声をかけてきました。
他にも「入職させてしまえば、就業規則でどうとでも出来る」と豪語する、およそ福祉を生業としている法人から出るとは思えない言葉もかつて聞いたことがあります。
こんなセリフを恥ずかしげもなく言える事に、この業界の本当の怖さがあると言えるでしょう。

終わりに

今回は「福祉」によって福祉・介護業界は壊されていくのではないか?という視点で書いてみました。

福祉・介護業界とはいえ、働いて給料を頂いている時点でそれはビジネスです。ボランティアでは
ありません。ボランティアと混同してサービス残業や休日出勤をするのは褒められる行為ではありま
せん。ましてやその様な行為を他のスタッフや部下に求めるのは言語道断です。

社会に出て、働いている全ての人たちにはそれぞれ家庭の事情があり、皆自身のため・家族のために
働いています。そこを察してあげて下さい。