こんばんは、管理人のtoshifumiです。
今月15日、厚生労働省の雇用政策研究会がまとめた報告書について、「介護・福祉」の生産性は
他の業界と比較して低いとあったそうです。そして、主要先進国の「介護・福祉」業界においても
日本の「介護・福祉」業界は最低水準にあると指摘されていました。

そこで今回は介護業界における労働生産性について書いてみたいと思います。


労働生産性とは?



そもそも「労働生産性」とは何でしょうか?労働生産性とは、労働量とその成果の比率です。式に
表すと、

生産性=成果÷労働量

となり、「労働者が1人で生み出す成果」もしくは「労働者が1時間で生み出す成果」です。
生産性が高いということは、その会社や業界が効率良く仕事が出来ている、あるいは効率良く利益を
生み出す事が出来ている事になります。

生産性が上がる要因としては、
  • 労働者のスキルアップ
  • 業務の効率化
  • 経営改革
等があり、労働環境が改善される事が結果的に会社や業界の業績が上昇すると言っても良いでしょう。

物的労働生産性と付加価値労働生産性



労働生産性には物的労働生産性と付加価値労働生産性の2種類があります。
物的労働生産性では、「成果」を販売価格の様な形で表せる様な物に置き換えて計算されますが、
付加価値労働生産性では「成果」は付加価値額の様に直接目では見えない様な項目に置き換えて
計算されています。

付加価値に関する捉え方は様々ですが、会社や業界にとって利益となるものと捉えて間違いはないと
思います。

介護業界における労働生産性


では、今回の報告書に書いてある「介護・福祉」業界の労働生産性の低さについて考えてみましょう。
「介護・福祉」業界の業界規模・労働者1人当たりの平均年収は全業界中でも最下位に近い状態です。
しかし、将来性だけは他の業界にも負けない状況でした。

また、介護・福祉業界はICT化が最も遅れており、AIの導入についても試験段階に過ぎません。
介護ロボットによる業務の効率化もほとんど進んではいません。

ケアマネジャーや相談員達は日々、様々な雑務と共に膨大な量の書類と就業時間を過ぎても格闘を
しており、介護スタッフは人材不足の中、就業時間を過ぎても利用者のケアに当たっています。

これだけのマイナス要因がある中、「介護・福祉」業界の成果や付加価値はどうでしょうか?

資格を取得すれば、その過程で知識や技術を習得出来ます。しかし、労働時間の短縮に繋がる事は
あまりないでしょう。
よく介護事業所は「やりがい」「福祉の精神」を前面に出す場合がありますが、「やりがい」や
「福祉の精神」は付加価値に変換し、会社や業界の利益として明確に数値化出来るのか、疑問が
残ります。 

どうも「介護・福祉」業界は「成果」や「付加価値」を見える化する事の難しい業界の様に私は
感じました。
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